導入事例

株式会社タイトー 様

株式会社タイトーはアイドル育成ゲーム「アイログ」のイラスト制作プロジェクトに、無料グループウェア「サイボウズLive」を活用。350通以上もの電子メールのやりとりをゼロにし、質の高いアイドルのイラスト制作を実現しました。その活用法とは?

「最高の映画を見たような満足感を」――タイトーの「アイログ」が追い求めたアイドル育成ゲームの世界観
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株式会社タイトーの「アイログ」が人気です。アイログは人気プロデューサーになって最強のアイドルグループを育てるソーシャルゲームです。タイトーといえば、スペースインベーダーやパズルボブルを開発した老舗のゲームメーカーですが、携帯向けのソーシャルゲームでも人気タイトルを提供しています。

アイログの特徴は、かわいくて質の高いアイドルのイラストです。このイラストに魅了され、アイログの世界観にハマる人も多いのだとか。タイトーでは10人以上のイラストレーターと「サイボウズLive」を使って、イラストを制作しています。

アイログのイラスト制作プロジェクトにおける情報共有について、タイトー ON!AIR事業本部 プロデュース部の草葉隆和さんに伺いました。

アイログを彩るアイドル

女の子を個性的なアイドルに育てていく。その面白さに熱狂するファンは多い

世界観に魅了されるファンが続々!?「アイログ」の誕生

携帯端末で遊べるソーシャルゲーム「アイログ」が人気ですね。

はい、アイログの提供を開始して1年以上が経ちましたが、多くの方にゲームを楽しんでいただき、とてもうれしく思っています。

タイトーさんといえばスペースインベーダーなどのアーケードゲームのイメージが強かっただけに、携帯向けのアイドル育成ゲームを提供されていると知って驚きました。

アーケードゲームのイメージは確かに強いですよね。実はタイトーでは以前から携帯電話向けコンテンツを提供しています。「執事たちの恋愛事情」など、女性向けゲームもヒット作となりました。

アイログを出した2011年は、まさにソーシャルゲーム花盛り。タイトーもソーシャルゲームという新たなジャンルへのサービス提供を考え、実験的に開発を進めました。その中で「アイドル育成」というゲームの軸、「カードゲーム」というトレンドが見えてきたので、これを掛け合わせることにしたのです。

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タイトーの草葉隆和さん

それがアイログの開発につながったと。

お客様がプロデューサーとなって、普通の女の子をアイドルに育てていくプロセスを体験できるゲームはおもしろいと思ったんです。

いままでの恋愛ゲームにはない育成要素を入れることで、一度限りではなく何度も遊んでくれるのではと考えました。これがアイログ誕生のきっかけです。

リリース後の反響はいかがでしたか?

おかげさまでリリース後は、想定以上の多くのお客様に遊んでいただくことができました。

アイログのお客様には、ゲーム内容だけでなくアイドルのキャラクターそのものを楽しんでくれているファンが多いですね。ゲームの攻略サイトができたり、SNS外でのお客様同士の交流も活発で、ほかのソーシャルゲームにはない動きが見られます。

単なる「カードゲーム」ではなく、プロデューサーとなってアイドルの女の子と仲良くなるシナリオを楽しみたいというお客様が多いんですね。だからこそ、アイログの世界観を表現するイラストがとても大切だと感じました。

数カ月を費やして開発したプロトタイプを、100%作り直した

開発は順調だったのでしょうか?

いえ、実は開発中は紆余曲折があったんです。アイログを出した2011年は、ソーシャルゲーム業界が急成長していて、1週間ごとにトレンドが変わるような状態でした。

何日も徹夜をしながら、数カ月掛けてアイログの開発を進めていました。ですが、より「トレンドに合う」「お客様に楽しんでもらえる」ゲームを提供するため、一度大幅に作り替えることにしたのです。

作った素材を捨て、ゲームバランスを調整して......。完成間近だったゲームを破棄するようなものでした。この急展開に、チーム全体の空気が重くなった時もありました。

開発方針の大幅な変更があったのですね......

そうなんです。ですが、「より良いゲームを提供して、楽しんでもらいたい」という思いを全員が持っていたので、あきらめずに開発を続けられました。徹夜続きだったので、みんなには1週間リフレッシュ休暇を取ってもらい、気分を切り替えてもらいました。

そんな経緯があって提供したゲームだったので、思い入れも強いです。多くのお客様に遊んでもらえている今を見ると、「より良いものを提供するために、ゼロから作り直す」という判断は間違いではなかったと思います。

アイログの開発においてこだわったポイントは?

「面白くなければゲームじゃない」。だからこそ、ゲームの質にこだわり続けました。

ソーシャルゲームのプレイ時間はもしかしたら1日に5分くらいかもしれませんが、その中で「最高の映画を見たような満足感を得てほしい」という思いで作っています。数年後に「そういえば、アイログに熱中していたよね」とか「高校3年間アイログ漬けでした」って言ってくれるファンが出てきてくれれば、それはとてもうれしいことです。

そうなるには、あと10歩ほど足りないかもしれませんが、努力してアイログを良いゲームにするという思いは揺るぎません。

草葉さん

アイログに対する思いを語る草葉さん

アイログのイラスト制作に不可欠なチームの意思疎通

ソーシャルゲーム開発において、情報共有の重要性はどこにありますか?

ソーシャルゲームはリッチ化しています。ずっと遊んでもらえるゲームを開発するには、HTML5などの技術を駆使したアニメーションのようなコンテンツ、質の高いイラストなどを通じて「ゲームの世界観」を表現することが大切です。

アイログを楽しんでもらうための要素の1つが、アイドルのイラストです。イラストによって、アイログの世界観を高いレベルで表現できればと考えています。

そこで大事になるのが、情報共有です。アイログでは、1カ月にだいたい70~80枚のイラストを制作します。質の高いイラストを作るために、イラストレーターとの意思疎通が何より大切だと考えています。

そこでサイボウズLiveを導入いただいたのですね。きっかけは何でしょうか?

前職で「サイボウズOffice」や「デヂエ」を使っていたこともあり、共同作業に適した情報共有ツールをサイボウズが出していないかと探しました。そこで「サイボウズLive」を見つけたんです。

「無料コラボレーションツール」というネーミングにピンと来ました。これならアイログのイラストデータのやりとりをできるんじゃないかと。テストで使い始め、2012年8月から本格的に運用しています。

今は、どういったチームで使っているんですか?

ON!AIR事業本部のアイログチームです。企画担当3人、デザイナー2人の計5人で使っています。主な用途は、外注しているイラストレーターさんとのやりとりです。

取引先の企業と個人のイラストレーター10組ほどと同数のグループを作り、イラストデータの確認や連絡に使っています。

草葉さんのサイボウズLiveホーム画面

草葉さんのサイボウズLiveホーム画面

担当者、イラストレーターが締め切りを意識して、質の高い仕事ができた

アイログのイラスト制作でサイボウズLiveをお使いいただいたのですね。

そうです。サイボウズLiveの掲示板は、トピックごとに整理された状態で表示されますよね。イラストのやりとりにおいては、情報が整理される点はとても便利です。

具体的には、掲示板のタイトルに「締め切り日、納品内容」を記入しています。グループトップを見ると、どのイラストの締め切りが迫っていて、どれから返信すべきかがすぐに分かるんですよね。

整理・分類しやすい点がメリットだったと。

その通りです。締め切りが一目で分かるので、タイトーの担当者、外部のイラストレーターがお互いに締め切りを意識して、仕事を進められるようになりました。

掲示板はタイトルの付け方やカテゴリー分けを工夫することで、「今日はこのトピックを確認しよう」と判断しやすくなりましたね。

イラストレーターさんのやりとりごとにグループを作成

イラストレーターさんのやりとりごとにグループを作成。
グループトップでは最新のやりとりを一覧できる

これまではメールを使ってやりとりをされていたのでしょうか?

イラストレーターごとにメールで連絡していましたが、情報の取りこぼしが多かったです。特に締め切り前はメールが絶えず届き、締め切りが迫っているイラストの連絡がどこにあるのかが分からなくなっていました。

送られてきた順番にタイトルが表示されるメールでは、確認の優先順位が付けられなかったんですよね。「来たメールから連絡をしていたら、締め切りに一番近いメールの返信ができなかった」というミスも起こりかねません。

サイボウズLiveを使うことでそうした失敗はゼロになりました。

社外チームとの心理的な距離が近くなった

効率面以外に、やりとりの質的な変化はあったでしょうか?

イラストレーターさんとタイトーの心理的な距離が縮まったと感じます。

メールを使っていたときは、あまりに返信数が多くなるので、「1イラスト当たり5返信でやりとりを完結させる」といったルールを作っていたのですが、これがなかなかうまくいかなくて......。

メールの頻度を減らす努力をされていたのですね。

そうなんです。でも、5回で完結させるには、1メールの記載内容が多くなり、かつ事務的で堅い連絡内容になりがちです。送り手の考えや気持ちが読み取りにくく、誤解が生じることもありました。

70のイラストを5返信で完結させたとしても、受け取るメールの数は単純計算で350通。これだと送る方も確認する方もメールボックスを開きたくなくなりますよね(笑)。

合計350通の長文メールですか。書くのも読むのも大変そうです。

その点、サイボウズLiveの掲示板はコメント形式のやりとりになるので、やりとりが増えてもメールとは違って簡単に流れを追えます。やりとりの頻度を気にする必要がなくなって、気軽にやりとりできるようになりました。「キャラクターの目の部分をもう少し寄せて」といった細かな依頼も、気づいたときに都度コメントできます。

気軽な書き込みには、気軽にレスが集まります。こうしてコミュニケーションの回数が増えると、指示内容や意図が伝わりやすくなります

イラストレーターさんには、コミュニケーションの部分ではなるべく手間を掛けてもらいたくないんです。やりとりの数はメールの2倍くらいになったかもしれませんが、細かな意図まで伝わるようになり、アイログのイラストの質は確実に上がりました。

サイボウズLiveでイラストを確認

掲示板にファイルを添付して、イラストを確認する。
軽いやりとりでイラストのチェックやフィードバックができるようになり、「イラストの質が上がった」

気軽なやりとりで意思疎通ができるのは、メールにはないメリットですね。

はい。別のメリットを感じる部分もあります。タイトーのデザイナー二人がイラストの確認について、お互いをカバーしあえるようになりました。

例えばデザイナー2人で70枚のイラストを分担すると、一人当たりの35枚をレビューすることになります。メールでCCに入れたとしても、細かなレビュー内容まで追いかけられる人はなかなかいません。

CCで送られたメールを後から1つ1つ読み返して、それまでの経緯を把握するのは大変ですよね。

その点、サイボウズLiveの掲示板を見ると、1つのトピックにこれまでのやりとりの経緯がすべて残っています。

これにより、デザイナーAさんが風邪で休んでしまった場合、Bさんがトピックをすべて読み、レビュー進行を調整できるようになりました、チームの総合力が上がったとも感じますね。

無料のクラウドサービスを使うことに抵抗はありませんでしたか?

確かに懸念はありました。ですが前職でサイボウズ製品を使っていたこと、サイボウズという会社に信頼感があることを考え、テストしてみたんです。サイボウズLiveは無料で使えますし。

今はサイボウズLiveに対するデメリットを感じることはありません。それよりも、業務効率が上がり、チームのコラボレーションが進むことの利点を感じています。

運用については、1カ月に1度、全員がログインのパスワードを変更するといった形で、タイトー側でセキュリティを担保するようにしています。

人生を彩る、すばらしい物語を届ける

最後に、アイログの今後の展開について教えて下さい。

気軽に楽しんでもらえるアイドル育成ゲーム「アイログ」を開発したことで、社内の反応も変わってきました。

これまでにないゲーム開発に挑戦しよう」という意気込みが聞こえてきたり、ゲームセンター「タイトーステーション」との連携といった新しいビジネスにもつながりつつあります。

新しいチャレンジで、社内の空気が変わったのですね。

はい。今後はもっと面白い取り組みにつながってくると思います。例えばアイログのファンの皆さんによりゲームを楽しんでもらうために、アーケードゲームやコミック、ドラマCDなどを出していきたいですね。メディアミックスというか、ソーシャルゲームにとどまらない演出や工夫ができればと思います。

タイトーの中心にある考え方は、「お客様の人生を彩る、すばらしい"物語"をお届けしたい」ということです。これを実現する気持ちで、アイログの開発を続けます。

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ソーシャルゲームにとどまらない展開が期待される「アイログ」、今後が楽しみです

2013/01/30
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