導入事例

映画「忍たま乱太郎」 VFXディレクター 小林真吾 様

私はVFXディレクターとして映画やテレビ番組の映像制作を行っています。 VFXとはCGを使って現実には存在しない映像を作り出す技術です。建物が爆発したり、ヒーローが光に包まれて変身したり、といった映像は、役者さんの演技を撮影した映像をコンピューターで加工することで作成されています。

京都、名古屋、東京の三拠点間で効率的な映像制作を実現
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映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』7月6日(土)より公開中
(c)2013「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」製作委員会
nin-tama.com

プロジェクトの概要

小林様 私はVFXディレクターとして映画やテレビ番組の映像制作を行っています。 VFXとはCGを使って現実には存在しない映像を作り出す技術です。建物が爆発したり、ヒーローが光に包まれて変身したり、といった映像は、役者さんの演技を撮影した映像をコンピューターで加工することで作成されています。

現在公開中の実写映画「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」にもVFXディレクターとして参加しています。「忍たま乱太郎」のVFXの映像制作プロジェクトでは、サイボウズLiveを使ってコラボレーションを進めました。

「忍たま乱太郎」以外にも「探偵はBARにいる」「はやぶさ 遥かなる帰還」などの映画作品や、「特命戦隊ゴーバスターズ」「仮面ライダーオーズ/OOO」などのテレビ番組のVFX制作でサイボウズLiveを使っていました。

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CGを使って現実には存在しない映像を作り出すVFX

※新作映画「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」の制作の裏側について、こちらの記事で詳しくご紹介しています。合わせてご覧下さい。
今度の映画「忍たま乱太郎」は特撮アクションがすごい!VFXディレクター 小林真吾氏インタビュー / プロジェクトの見本帖

映画「忍たま乱太郎」のVFX制作体制

映画「忍たま乱太郎」は京都太秦の撮影所で撮影され、VFX制作は名古屋と東京のプロダクションで行われました。監督、プロデューサー、クリエイターなどの関係者の所在が京都、名古屋、東京の3箇所に分散しており、一堂に会して打合せや映像チェックができないため、オンラインで効率的に映像制作を進める必要がありました。

私は普段東京にいますが、「忍たま乱太郎」ではクランクイン前からクランクアップまで、監督と一緒に京都の撮影所にはりついていました。仕事の一例としては「忍たま乱太郎」では「マットペイント」によって実際には何も無いところにお城などの映像を合成しています。このような場合の撮影現場では今後VFX(お城のマットペイント)が入った際にどのような完成型になるかを考慮しながらカメラマン、監督と撮影する絵を決めるのが主な仕事です。 一方でVFXの制作は映画の撮影が全て終わった後に開始します。京都での撮影が終わった後、監督と私は東京に戻りますので、今度は東京から名古屋のプロダクションに指示を出して制作を進める必要がありました。

映画の制作体制
撮影中は京都-名古屋間で、撮影後は東京- 名古屋・京都間でコラボレーションしながら VFX映像の制作を進める必要があった

こうした状況だったため、遠隔地にいるプロダクションのスタッフに対して、効率的に指示を出せる環境をつくりたいと考えました。 映画のカット数は膨大ですし、制作に関わる人の数も多いので、メールによるコミュニケーションではやりとりが破綻してしまいます。そこで、サイボウズLiveを使って監督やプロデューサー、プロダクションのメンバーとやりとりを行うことにしました。

VFX映像制作チームでのサイボウズLiveの使い方

グループを分けて監督やクリエイターとやりとり

VFXディレクターとしての私の役割は、監督とプロダクションのクリエイターとの仲介役です。 監督からの指示を技術的に噛みくだいてクリエイターに伝えます。クリエイターからあがってきた映像は、まず私がチェックして監督に確認するまでもない修正事項をクリエイターにフィードバックします。一通り基本的なチェックが終わった後、監督に映像の確認をお願いします。

仲介役として監督、クリエイターとスムーズにやりとりするため、サイボウズLiveでは二つグループをつくりしました。一つは監督や編集部やプロデューサーとやりとりするグループ、もう一つはプロダクションのクリエイターとやりとりするグループです。

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監督、プロデューサーとやりとりするグループ(左)と、 クリエイターとやりとりするグループ(右)の2つを作成。

サイボウズLiveはグループをいくつでも作成できます。プロジェクトごとにグループをわけることもできれば、今回の「忍たま乱太郎のケースのように、一つのプロジェクト内でグループを分けることもできるので情報の管理が楽です。ホーム画面で新着情報をグループ横断で全部みられるのもいいですね。

カットごとに掲示板のスレッド(トピック)を作成

VFX映像の確認作業はカットごとに行うので、1カットに対して掲示板のトピックを一つ作成しました。トピックのタイトルには、カットナンバーと日付、カットの概要を記載します。タイトルの付け方に一定のルールをつくっておくことで、トピックを一覧したときに簡単に目的のトピックを探しだせます。

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カットごとにトピックを作成してやりとり

カットに対する指示やフィードバックはコメント欄に書き込みます。書き込みがあると新着通知メールが送信され、未読のコメントはハイライト表示されるので、見落としや重複回答がありません。コメントが時系列に並ぶので、過去の発言を振り返りやすいのですね。クリエイターからあがってきた映像をチェックする際に、自分がそのカットに対してどういう指示をしていたかを簡単に確認できます。

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修正指示をコメントに記載

クリエイターへの修正指示は、シーンのキャプチャに修正指示を書き込んで画像として投稿します。投稿された画像はサムネイル表示され、クリックすると拡大表示されるので、クリエイター側も指示の内容を確認しやすいようです。

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サムネイル画像をクリックすると拡大表示されるため、 画像をダウンロードせずに指示内容を確認できる。

カットごとの進捗はExcelでも別途管理しており、サイボウズLive上での確認結果を逐次反映しています。

YouTubeのアクセス制限URLを掲示板で共有

映像のモーションチェックやファイナルチェックは、YouTubeを活用しました。 YouTubeに非公開で動画をアップロードして、アクセス制限URLをサイボウズLive上で共有します。 制作中の映像は当然非公開ですし秘密を守る必要があるのでYouTubeの利用には不安がありましたが、色々と検証した結果おおよそ問題ないことがわかりました。YouTubeならPCだけでなくiPhoneやiPadでもスムーズに再生できます。これは今回の制作がスムーズに進んだポイントの一つだったと思います。 高解像度でチェックする必要がある場合は、クラウドストレージサービスでムービーデータを共有しました。

共有フォルダで企画書や仕様書を共有

作品の企画書やキャラクターのイメージ画像など、プロダクションの担当クリエイター全員に見てもらいたい資料は共有フォルダにアップします。 以前は自分で構築したFTPサーバーにファイルをアップしてメーリングリストでファイルパスを連絡する、といったやり方をしていましたが、それと比べると格段に楽ですね。

「いいね!」が励みに

ボウズマンと

コメントに「いいね!」がつけられますよね。最初の頃は「いいね!」をつける習慣がなかなか浸透しなかったんですが、最近は皆さん気軽に「いいね!」をつけてくれるようになりました。なんということはない機能ですけど、監督やプロデューサーがいいね!をつけてくれるとやはり嬉しいですよね。 ITやコミュニケーションツールに不慣れでコメントを書きにくいという人でも、「いいね!」ボタンは気軽に押してくれています。

使いやすさのポイント

必要な機能がすべて揃っている

掲示板機能でテーマごとに時系列でやりとりできる、ファイルを共有できる、スケジュールを共有できる、といったプロジェクトの情報共有に最低限必要な要件をサイボウズLiveはすべて満たしていますよね。画像だけでなくPDFやExcelも添付できる、WebサイトのURLを書き込んだらリンク表記になる、といったような「当然そうなっていて欲しい」という細かい機能がすべて付いている。

有料サービスも含めて他のツールをいくつか検討しましたが、サイボウズLiveは無料でありながら必要十分な機能を備えている。便利ですよね。今のところこれに勝るサービスはないかなと思っています。

シンプルだから迷わず使える

肌感覚で「とっつきやすい」とメンバーに感じてもらえるかどうかも重要ですね。 特に使い方を細かくレクチャーすることなく、監督もクリエイターも使いこなせています。グループの掲示板に予め用意されている初心者向けのトピックを読んでもらえば、皆さんそれなりに使い始められます。

機能が絞られている分だけ、迷わず使えるのかもしれませんね。サイボウズLiveは気軽に書き込めるインタフェースなのでメンバーからの書き込みやフィードバックが早く、情報共有が進みやすいですね。

クラウド、スマートフォン対応だから場所を選ばず仕事ができる

どこでも仕事

いつもiPhoneアプリで新着情報をチェックしています。アプリのプッシュ通知で新着に気がついて、簡単な用件ならiPhoneだけで済ませます。大きい画面で確認したい時はiPadで開いて、詳細にコメントが必要なときはMacBookを開く。複数のデバイスを状況に応じて使い分けています。

クラウドサービスだからPCやスマートフォンで必要なときにアクセスできるので、時間や場所に制約されずいつでもチェックして返信できます。今時間が無くて細かくチェックできないというときは、とりあえずその旨だけ伝えます。そうすれば現場の人はいつみてくれるんだろう、という不安を感じないですみますから。

情報共有の「ハブ」に

ホーム画面にプロジェクトの情報が集約 とにかくサイボウズLiveだけみればいい、というのが私にとって一番の利点ですね。 DropBoxなどのファイル共有サービスも併用していますが、併用しているサービスのURLをグループのリンク集に登録しておくことで、サイボウズLiveにアクセスすれば必要な情報にすぐアクセスできる。 映像制作プロジェクトにおいて、サイボウズLiveが情報共有の「ハブ」としての役割をはたしています。

2013/07/29
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